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改修知識

現在、私達を取り巻く社会環境は急速に変化し続けています、地球温暖化、少子高齢化、安全安心への意識向上、住生活の省エネルギー対策への対応が必要となっており、このことを踏まえながら、住宅計画を考えることが必要ですし、地域に合った住まいづくりを施工側がしっかりと熟知していなければいけません。





1.住まいの寿命

秋田における住宅ストックの平均築後年数は約30年と推計されます。全国平均とすると同程度ですが、アメリカやイギリスなど諸外国に比べると20年以上も短い状況となっています。住まいづくりの寿命が短ければ建て替えなどを行うサイクルが早くなり住宅建設に関する費用負担も多くなり、環境への負荷も大きなものとなります。長寿命な住まいづくりは、これからの住まいづくりは、これからの住まいづくりを考えるうえで重要な課題となっていきます。


2.住まいの劣化と生活スタイルの変化
住まいが劣化すると、改修を行分ければ最終的には建替などが必要となります。また、住まう方の生活スタイルが変化し、住まいが生活に対応できなくなった場合にも、何らかの措置が必要となります。
①構造的な問題
 自然災害により構造躯体の強度が不十分になる。
②構造材の腐食・狂い
 漏水や内部結露の湿気によって構造材に狂いが発生したり、腐食がおこります。
③外装材の劣化
 外装材に付着した水が凍結融解を繰り返すことで、クラックが発生し腐食がおこります。
④屋根のすが漏りと破損
 小屋裏の結露や換気不足により、屋根に積もった雪が溶け、軒先で結露、つららが発生しま  す。つららや氷の塊の落下により、屋根や外壁が破損します。
⑤配管設備の腐食
 長く住まうためには定期的な保守点検・補修・更新が必要になります。
⑥生活スタイルの変化
 子供の成長や居住者の加齢、家族構成の変化など生活スタイルは変化していきます。住まいに必要な条件もそれに合わせて変化していきます。

3.長寿命な住まいづくり
構造材の腐食・狂い、外装材の劣化、屋根のすが漏れや破損を防ぐためには、主に次のようなポイントが挙げられます。
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4.乾燥木材の使用
 構造上主要な部分に使用する木材は、強度確保や腐抗防止の観点から、含水率20%以下の乾燥した木 材または、集成材を使用することが必要です。防湿フィルム(JIS A6930 住宅用プラスチック系防 湿フィルム)を押さえる木材など気密工事に使用する木材にも乾燥材を使用することで、乾燥収縮に よるフィルム押さえの緩みを防ぐことができ、気密性能を持続することが可能です。
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5.床下の換気措置と防湿措置
 床下等の鋼材の腐食・狂いを防ぐためには、床下空間を乾燥状態に保つことが重要となります。
 床断熱工法の場合では、床下の換気を確保するために、有効換気面積300cm2以上の床下換気孔を間 隔4m以内ごとに設置しなければなりません。
 又、土台と基礎の周りに基礎パッキンを挟み、土台を浮かせる場合には、1mあたり有効換気面積75
 cm2以上の換気孔を土台の周囲にわたって確保しなければなりません。これらの換気措置のほか、地
 盤からの水蒸気を防ぐために床下の防湿措置も必要です。
 基礎断熱工法の場合にあっては、通常床下換気孔は設置しませんので、床下空間の防湿措置が特に重 要になります。そのため、地盤からの水蒸気を確実に防ぐ防湿措置ほか、床下空間に外部からの湿気 が流入しないように配慮しなければいけません。基礎の天端は天端均し用セルフレベリングモルタル
 により平滑に仕上げるとともに、土台と基礎との間に気密パッキンなどの気密補助材を用いるなどに より、床下空間の気密性を高めることが必須です。


6.外壁の通気措置と外装材の劣化を防止する措置
 壁内の結露を防止し、断熱材の断熱性能及び木材等の耐久性を維持するため、外壁における通気措置
 を行うことが重要です。
通気層画像
 また、外装となる材料自体の耐久性能に関しても配慮しなければなりません。例えば、窯業系サイ  ディングについては、耐凍害性に関する品質の差が大きく、吸水すると凍害劣化を生じやすい材質の
 ものであることから注意が必要です。商品の価格で比較するのではなく材料の向き不向きを理解した
 上で選択する必要があります。
 窯業系サイディングを使用する場合は、大きな庇や軒があって外壁に雨や雪が接触しづらく、積もっ た雪も接触しない措置が重要です。画像
 金属サイディングについては、異種金属との接触により腐食(電食)を生じる恐れがあるので釘など
 の接合材はメッキ処理したもの、またはステンレスのものを使用することが必要となります。
 このほか、雨水や屋根雪の融雪水が直接外壁表面を流れることや地面から跳ね返りがあると、外壁の 汚損・劣化が進みやすくなることからこれらを防止するため、十分な軒の出を確保し、雨の落ちる地 面に砕石を入れて跳ね返りを押さえることや、「とい」を設けるこtなどの措置が必要です。ただ  し、樋の設置にあたっては、地域の気候条件を考慮し、積雪による影響を受けにくい位置に設置する ことや凍結に対して強く、万が一破損が生じた場合にも部分的に交換でき、交換費用の安価な素材を 選択することが重要です。


小屋裏等の換気措置について
冬季の小屋裏空間や断熱層内における結露を防止するためには、小屋裏空間等の換気量を確保する必要があります。特に屋根断熱工法の場合には、屋根面と断熱材が近接しており、断熱層内に結露が生じやすいため、外壁と同様に通気措置をおこなうことが重要です。

小屋裏や屋根の通気層内の温度が高くなると、屋根面から損失する熱により屋根雪が融解し、すが漏りやつららの発生による破損等を引き起こす原因となります。これを防止するためには、天井又は屋根の通気層へ外気を積極的に導入することによって、屋根面を変動する外気温に常に近づけることが必要です。
すが漏れ

住宅の断熱気密化の意味
住宅の断熱気密性能を向上させることは、①省エネルギー化の促進、②室内熱空気環境の質(健康性・快適性)の向上、③住宅の耐久性向上の3つの観点から必要です。建物は下の図のように、壁、天井、床、窓の部位から熱が流出・流入します。
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住宅の断熱気密性能を高めることは、これらの部位での熱の出入りを低減させることになるため、室温を快適な範囲に保つために必要な暖冷房エネルギーを小さくすることが可能となります。また、断熱気密化により壁やガラスの表面温度が低下sinaitame、輻射環境の向上と上下温度差の低減が期待でき、②の室内熱空気環境の質が向上します。窓ガラスなどの壁体表面温度が上昇すれば、冬に生じるコールドドラフト(冷輻射)を回避することが出来ます。また明日、気密性能を高めると、冬に隙間からの冷気の侵入を防止でき、さらに壁体表面温度が空気温度に近づくため、結露防止も期待でき、カビの発生が抑えられることにより室内空気を清浄に保つことができます。
 改修工事などで、温かく快適にしたいが、断熱気密化を全て行うには予算がな。。。。とお考えの場合は、断熱材を増やすよりもお部屋の気密化を優先にするほうが効果的です。

断熱工法の種類

木造住宅の断熱工法は、断熱材の位置や使用方法によって、充填断熱工法、外張断熱工法に大別されます。充填断熱工法とは、下の図に示されるように、梁や柱の間に断熱材を充填して天井、壁、床を断熱・気密層でつないでいく方法です。一方外張断熱工法は、木造の外側に断熱材を張り付ける工法です。RC造のように蓄熱性能が高い構造の場合には、外張断熱工法が有利になってきますが、木造住宅及びリフォームでは、充填断熱外張断熱と区別することなく、建物の形や工法により適材適所で選択することが大切です。一番大事なのは、断熱材の種類よりもしっかりとした施工と設計であり気密性能の確保ですね。

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省エネで快適な住まい計画01

省エネで快適な住まい(お部屋)を計画する際、どの部位をどの程度性能を上げるのかを考えるには、費用対効果で考えるのが良いと思っております。ではどの部位を最重要と考えると良いかと言うと、窓の性能を上げることが最重要となります。夏と冬にどの程度熱がどの部位から流出・入る画像が一番上にあるように、圧倒的に窓からの熱の出入りが多いためです。実際の生活でも冬季期間に窓の近くに行くと寒く感じることがあると思います。窓は壁の断熱性能よりも劣り、壁よりも表面温度も低く、隙間風もあるため、体感温度が下がっているのです。

最近は、高性能なサッシが多く安価になってきております。ペアガラスからトリプルガラスへ変更するだけでも1棟で約20万円から50万円の差額になってきております。住宅の新築・改装を考える時に何処に予算を掛けて何処を抑えるのかは重要なポイントになってきますね。

次回は、窓について書きたいと思います。


省エネで快適な住まい計画 窓 02

省エネで快適な住まいを計画するには、窓の選択が重要となります。その基準となるのは、日本経済産業省が定めた窓の等級があります。
画像窓の断熱性能は熱貫流率という指標で比較します。U値とも言い、単位はW/m2.Kです。1m2.1時間あたりに通す熱量を表し、小さいほど熱の出入りが少なく高性能であることを意味しています。
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多くの国では窓の重要性が理解されており、U値に関して最低基準を設けていますが、(ドイツ1.3 英国1.4 フィンランド1.0)日本では最適準は存在せず義務化もされていないため、U値4.65W/m2.Kなんて最低な窓がまだまだ良く売れているとメーカーさん話しております。

では、日本では等級の高い☆4つの2.33W/m2.Kの窓を使うと住宅が温かくなるのか?と言うと、そうではありません。2.33W/m2.Kの窓ではまだまだ力不足と言うのが経験から解りました。U値1.7W/m2.Kは目指したいところです。

実際に窓性能の違いを同じ住宅で計算してみました。
2018-07-18画像
上の画像が、樹脂サッシトリプルガラス2Ar LOW-Eガラスを使用した住宅は 家全体のQ=1.57W/m2.K解りやすく家全体を灯油で24時間暖房を行った場合の年間灯油消費量で表すと、569ℓとなります。
下の画像は、窓性能を2.40W/m2.Kにすると、Q値=1.84W/m2.Kとなり、灯油消費量に換算すると734ℓとなり、年間の暖房費が165リットルの差がでました。

計算する住宅性能が良かったため、秋田市の次世代省エネルギー基準である2.3W/m2.Kの家で再度窓性能の差を計算してみました。画像画像
上の画像は、Q値2.28W/m2.K 24時間暖房での灯油消費量は、年間で978リットル
下の画像は、Q値1.95W/m2.K 24時間暖房での灯油消費量は、年間で804リットルと174リットルの差がでました。1リットル75円計算すると年間で13.050円 10年では130.500円にもなります。30年ではなんと、391.500円にもなり窓の断熱性能を上げるだけでこの様な差になります。家全体の性能を上げると更に光熱費のランニングコスト削減で省エネに繋がりますね。



省エネで快適な住まい計画 夏の窓03
秋田市も暑くなってきました。天気の良い日中は太陽光を窓に直接受け、部屋の温度を上昇させているのが解ります。

夏に室内が暑くならないようにするには、日射を室内に入れないことが、一番大切です。下の図のように、夏に窓からの熱の出入りはなんと60%以上もあるからです。
熱損失画像1
日除けとして、窓の内側に白いカーテンやブラインドを付けたりしますが、あまり効きません。窓ガラスを通して差し込む日射でカーテンが熱せられて、その熱が窓ガラスから室内側に放射され、60%以上の熱が室内に入ってしまいます。窓ガラスの内側ではなく外側で日射を遮蔽することが重要になります。

最近の新築住宅は、昔と比べると高気密高断熱の住宅が増えてきました。高気密高断熱住宅は、夏に家を閉め切った状態では、室内で発生する熱や窓から入る太陽光で、昔の家よりも室温は高くなります。少しの熱で温度が上がるのが高断熱住宅なのですから当然です。

しかし、春や夏は、冬と違い、窓を開ける事ができます。上手に通風のよい設計をすれば、室内に熱がこもることはなく、外気温度程度以上の温度になることはありません。窓の外側で日射をしっかりと遮蔽するなど、夏と冬の両方をを旨とした設計をすれば、夏でもクーラーいらずの涼しい家にすることが可能となります。

日射遮蔽なし画像
レースカーテンを下げる(日射侵入率53%)画像
外側へ遮蔽スクリーンを設置する(日射侵入率17%)遮蔽ブラインド 画像


日射の遮蔽には、すだれやよしずなど伝統的な夏対策の手法のほか、外付けブラインド、木製ガラリなど様々ありますが、設置コストやメンテナンス性・通風性能窓の開閉方法などの課題もクリアしなければなりません。

近年、設置コストや操作性と通風、視界性から考えて優れている商品はこちらです。セイキ総業さんが製造しているサングットⅡ 外付けロールスクリーンは外部からの視界を遮ることができ、内部からは視界が良好ですし、ワンタッチで上下の昇降が可能なため操作性が良いです。
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左側のスクリーンが斜めになっているのは通風性を良くするためです。

詳しくはこちら


1800×1700程度の開口部では、22.000-で販売しております。お気軽にご相談ください('ω')ノ



省エネで快適な住まい計画 夏の窓04 通風とエアコン
前回は、省エネで快適な住まい計画では窓が大事と言う記事を書きました。夏は日射の遮蔽を行い通風することで室内温度の上昇を控えられると言う内容です。

しかし、外気温が30℃を超えいる状態で通風を行っていても室温は上昇しますし、湿度も上がって快適と言える環境ではなくなってしまいます。

高気密高断熱住宅の基本である夜間通風にて室温を下げて日中は窓の遮蔽を行うことで日中快適に過ごすことができる秋田でも、住宅が密集した市内は風の通りも悪いし、防犯や近隣環境からも夜間通風することに抵抗がある方も多いと思います。


日中の外気温が30℃を超える日は、秋田でもエアコンを稼働させることで、除湿と冷房を行うことが省エネで快適な住まいと考えますが、各部屋にエアコンを設置しフル稼働させるなんてことは、省エネ的にもナンセンスな話です。

天井、壁、床の断熱気密施工と窓の日射遮蔽を行っていれば、7月から8月の約1カ月間は省エネで快適な暮らしができます。

実際に、秋田市で設計・施工した住宅では、延べ面積34坪くらいで2階に設置したエアコン1台を7月から8月の1カ月間、毎日24時間つけっぱなしにしても、冷房費は6000円程度でした。1日に換算すると200円です。この程度のランニングコストに収まっていながら、家全体が寒さを感じることもなく、省エネで快適な暮らしを行っていると言えます。


このように考えると、エアコンの消費電力よりも家電製品や照明器具の消費電力のほうが高いのが解りますね。

通風が可能な環境の住宅では、エアコンをスポット的に使用するとさらに省エネになるでしょうから、住宅を設計するときには断熱気密性能と夏と冬の冷暖房を最小のエネルギーで稼働させることを考えた設計が省エネで快適な住まいで暮らすためにはもっとも大事なことだと考えます。


エアコン選び
エアコン選び
2018年秋田市の夏は暑かったですね。2017年7月に30℃を超える日は10日で、2018年7月は15日と5日多くありました。

2018年は7月初めから30℃を超える日が多かったためでしょうか。

外気温が30℃を超える日中はやはりエアコンを稼働させたほうが快適でしょう。日中の外気温が30℃にならなくても夜間に外気温が下がらないと室内の天井、壁、床などが暖められて日中の室内温度が下がらないと快適にはならないですね。

そこで、賢いエアコン選びを考えてみたいと思います。下の画像はPanasonicさんのエアコンカタログからお借りした、エアコンの性能表です。
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ここで、畳数表示が一般例として適応されていることは、実は驚くべきことなのです。畳数表示は1964年に制定されてから一度も変わっていないようです。1964年の住宅と言えば無断熱でスカスカの住宅を基準にしているのです。

上記の表示から「能力(KW)」は、そのエアコンが投入することができる暖房又は、冷房の標準的な時間当たりの熱量を表しています。
暖房能力で言うと、能力は2.2KWと記載しています。これは2200Wと同じ意味で、カッコ書きで(0.4~4.0)と書いているのは、最小運転暖房能力が0.4KW(400W)最大能力が4.0KW(4000W)であることを表しています。

次に、暖房の消費電力をは、470Wと記載されています。これは、2200Wの暖房能力を消費電力470W電力引っ張ってこられることを表しています。つまり、消費電力の約5倍もの熱を室内にもたらすことを意味しています。

又、通年エネルギー消費効率(APF)はエアコン年間の燃費で、この数値が高いほど効率が良いエアコンとなります。しかし、これが曲者なのです。秋田市でエアコンを冷房と暖房に使用した場合は、実際には、この数値の半分ほどになることを理解して計算しなければいけません。

エアコン選びは、家電量販店や設備屋さんに任せると能力不足で不満が出ることを避けるために必要以上のエアコンを進められてしまいます。

自宅にピッタリのエアコンを選ぶには計算で冷暖房計画をすることができます。

冷房計算では窓の位置や大きさにより日射問題があるため、最大暖房負荷計算を行います。

建物全体の最大暖房負荷計算=熱損失係数×床面積×最大内外温度差-生活熱-日射取得熱
となります。
熱損失係数は、O値とも言い簡易計算できますがここでは秋田市の次世代省エネルギー基準の2.7W/㎡Kを採用します。
生活熱は家電製品や人体から発生する熱量で、120㎡程度の住宅は500Wとします。
日射取得は秋田の冬の曇りを想定して0にします。
室内外温度差は、秋田市の標準として18℃とします。

実際に計算すると。
2.7W㎡K×120.07㎡×18.1K-500W=5.367W=5.4KW
となり、5.4KWの能力があるエアコンを選択すると良いとなります。

しかし、断熱改修工事を行い住宅の熱損失係数が下がった住宅では?
実際にQ値計算を行った住宅で計算してみます。
画像画像画像
1.39×90.85×18.1-380=1.905W=1.9KW
と、1.9KWのエアコンで良いとなります。

やはり、住宅の断熱気密性能が上がると設備の負荷も減ることで、安価な設備で快適に過ごすことができるようになりますね。